2012年02月09日

続・大阪市は消滅します

二重行政の解消の為には、大阪市および堺市を解体して大阪都にするしかない。

と、いうのが大阪都構想の肝だと私は理解しています。

といっても、橋下市長および維新の会の議員の方々が、「大阪都構想が実現すれば大阪市と堺市が消滅しますよ」とは言わず、「大阪市は八つの区に、堺市は3つの区に分割します。その上位に立つのは大阪都です。これで市と都による二重行政はなくなります」という表現(前半部の大阪市を八つの区にする云々もあまり聞いたことありませんが)をしております。

個人的には、「都構想が実現すれば、大阪市および堺市を消しますよー」と、きちんと名言していただきたいです。私はそれすら知りませんでしたから。

閑話休題。

さて、大阪都構想について、根本的な質問があります。

1.大阪市と大阪府に弊害(非効率)をもたらしている二重行政って一体なんですか?
2.その弊害は、大阪市長と大阪府知事の連携によって解消されることはないのですか?
3.仮に解消されないとして、それは大阪市および堺市を日本の地図から消すことのデメリットを越えるものなのですか?

まず、1.についてのたたき台として、大阪市と大阪府の業務で二重行政となっている部分(重なっている部分)をざっと列挙してみます。私が文献で調べた範囲で、ですが。

                  大阪府         大阪市
a)公営住宅      府営住宅約14万戸   市営住宅約10万戸
b)金融支援      中小企業信用保証協会   信用保証協会
c)産業技術支援    産業技術総合研究所    工業研究所
d)保険・衛生      公衆衛生研究所     環境科学研究所
e)病院              府立病院        市立病院
f)大学              府立大学        市立大学
g)図書館・博物館 府立図書館、飛鳥・弥生文化 市立図書館、科学館や歴博等
h)国際交流      大阪国際交流財団     大阪国際交流センター

さて、これらの事業について。

二重行政は全て悪である!という前提で極論を申し上げましょう。あえてです。

二重行政なんで大阪市の病院を削ります」とか、「二重行政なんで大阪市の大学を削ります」って、受け入れられるでしょうか? 

補填として、その削った分のお金で大阪府の別の地域に病院や大学を創設するとしますと。当然、旧大阪市の住民の反発が予想されますが、では八つに分割された区の住民の発言力と、大阪市として統合された大阪市長がいる場合の発言力、どちらが上でしょうか?

橋下元知事時代に議論を呼んだ構想の一つに「カジノ誘致」がございますが、仮にこれが不本意な形で実行された場合、地域市民(といっても区に分割されておりますので市はございません)はどうやって反対の声を都知事に届ければいいのでしょうか?

・・・と、これまでは妄想の話です。こういう暴論をかますから、私は敵を作るわけですね。反省

さて、話を戻して、二重行政は全て悪ではなく、(悪だったら、府にでっかい病院が一つとか受け入れられますか? あるいは大学一つだけとか受け入れられますか?)下記の観点から判断しなければなりません。

@需要(利用者が十分に多いか?) 
Aエリアによる住み分けをきちんとしているか
B内容や種類の分担をしているか

の観点で見てみますと、国際交流技術センターは非効率、金融支援、産業技術支援はやや非効率といったところです。(公営住宅については賃料が安いため、常に需要が高い状況ですが。これは要検討)
参照:http://www.pref.osaka.jp/chikishuken/jichiseido/index.html

さらに。これを踏まえた上で2.その弊害は、大阪市長と大阪府知事の連携によって解消されることはないのですか?

現在の大阪市長は誰でしょうか?

橋下市長です。

現在の大阪府知事は誰でしょうか?

大阪維新の会に所属する松井一郎知事です。

市長と府知事の連携は不可能なのでしょうか?

彼らの連携によって、大阪の二重行政の非効率な部分の改善は本当に不可能なのでしょうか?

その不可能な二重行政とは、一体、具体的にどのような事業やシステムのことを指すのでしょうか?

維新の会のマニフェストや反論を見ても、具体的に何が二重行政によって不可能になっているのか、効率の悪化を招いているのか、私にはよく分からないのです。

ただ、大阪市民が確実に反対しそうなモノを建設することが可能になります。そう、カジノです。といってもこれは私の邪推であり、現段階では何とも言えません。ただ、橋下市長は知事時代にカジノ構想を打ち立てたので、推進に前向きであることは確実でしょう。

さて、ここで邪推してみますと、こんな結論が出てきます。

大阪都構想を実現する為には、大阪市長は大阪の発展を促すような事業をしない方がいい。(公務員たたきすればいくらでも支持率は上がりますから)

といっても、橋下市長はきちんと大阪のことを考えてくれている(だから大阪市民に圧倒的な支持を受けて当選した)わけですから、そんな馬鹿なサボタージュをするわけがなく。
”市長としてがんばったうえでなお、解消できない二重行政の弊害・非効率性が存在する”ということなのでしょう。検証する為に、具体的にそれが何なのか、できれば数値データベースで示していただきたいのですが。

そこで3.の疑問。
3.仮に解消されないとして、それは大阪市および堺市を日本の地図から消すことのデメリットを越えるものなのでしょうか?

先回の記事のコメント欄で、「民主的な手続きで独裁者は生まれない」というご指摘がありましたが、アドルフ・ヒトラーは選挙で選ばれました。ナポレオンも民衆の圧倒的な支持の下に選ばれました(そして戦争をし続けて負けて国家を壊滅させました)。

大阪都構想は、「やってみて駄目なら元に戻せばいい、は不可能です
だから、慎重に検証に検証を重ねるべきだと思っています。

ただし、橋下市長には尊敬すべき点が多々あるのもまた事実。
日教組系の腐敗教職員、特に国歌や国旗にあからさまに反発する人間に対する毅然とした態度。
大阪市にいる一部の公務員への能力評価制度の導入。

これらは平松前市長はあまり手を着けてなかった問題かと思います。

ですが、それと大阪都構想の正当性は話が別なのです。一部の主張やイデオロギーが尊敬できるから、全部の判断が合理的で正しいとは限らないのです

後戻りできない重大な判断である以上、徹底的に検証し、メリット>>デメリットであることを証明できてから、重大な影響を受ける大阪市民、そして堺市民の投票を受けて、行うべきだと思っています。

最後に、維新の会は東京都と比べて大阪府は人間一人当たりの行政コストが高い(だから都にすれば効率的になる)という試算を出していますが、これは実は数式のマジックがあり、計算式を実態に即したものにすると、東京都の方が行政コストが高くなります。
その件は、次の関連記事にて述べさせていただきます。

引き続き大阪都構想について基本的な情報を勉強していきたいと思います。
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posted by つるや(国会AA職人二代目) at 21:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
後編も楽しみにしています。
橋本さんの立場であれば、リストラによって一時的に金を生み出すことは可能でしょう。
部署の統廃合、命令系統の一本化、人員の削減、こういうのはけっこう簡単にできる事です。民間企業では盛んにやっている事です。
ただ、そうやって浮いた金で何をしたいのかはまだ明確では無い。民間企業なら浮いたお金と人員で新しいビジネスを探っていかなくてはいけません。
府政ではなんでしょうね。カジノか、新しい産業か、税制優遇での企業誘致か、起業支援か、教育改革か。
はっきりしていないという、その部分。
そこに一抹の不安は覚えますね。
Posted by ちゃそ at 2012年02月09日 21:49
確かに維新の会出身者が府知事と大阪市長であることは、連携して問題を解決すればよいという指摘は真っ当なものであると思います。

が、選挙による民主主義を採っている以上は首長はいつ変わるか分からないというのもまた事実です。首長が変わるたびに行政の枠組みが変わるようでは混乱するだけですから、「今後はこの枠組みでいくよ!」という明確な指針を示すのは当然かと思います。そうすることで府知事が維新の会出身でなくなっても大丈夫です。

大阪市・堺市という自治体名の存続がメリットデメリットであるという考え自体が私にはよく理解できません。住民が満足する生活を送れるのならば自治体名に拘るのはナンセンスだと思います。

それにそもそも自治体の枠組みや名称はその時代時代にあったものにずっと変更され続けてきています。廃藩置県以降、県も恐ろしいほどの変遷を遂げていますし、合併を繰り返してきた市町村にいたっては説明する必要もないかと思います。問題は行政の集約や枠組みの変更によって住民サービスや意思決定が以前のものよりもスムーズいくのかどうか、無駄が発生するのかしないのか、その点に尽きると思います。

ですので、私としては大阪都構想が達成された後に今よりも悪い状態になるのなら反対です。が、橋下さんの説明を見る限りではそうは思えないので、より良い方向に行政改革が進む点で賛成だという立場です。
Posted by にのまえはじめ at 2012年02月09日 22:20
> その弊害は、大阪市長と大阪府知事の連携によって解消されることはないのですか?

私もそれで多くは解消できるように思います。連携によって統合したインフラは首長が変わっても復活はしないでしょうし。確か平松前市長と水道事業の連携でもめて関係が悪化してから市長と知事を維新の会で占めようという話になったかと思います。二重行政の解消といっても、必須サービス・インフラはそうそう潰せないと思いますので、管理部門のスリムアップ程度で、やっぱりサービスを削らないと期待しているほどにはお金は出てこないでしょうね。歳出全体で見たらみんな(マスコミとか)が騒ぐほど日本の行政サービスはそんなに非効率じゃないですよ。

私は都構想の狙いは二重行政解消ではなく、再配分システムの再構築、すなわち都が使えるお金、要するに権限をとにかく増やしたいということだと思っています。大阪府の歳出が3兆円くらい、大阪市がその1.5兆円、堺市が3000億円、これらを単純に統合できると考えると5兆円弱になります。東京都が7兆円弱なので匹敵してきますね。

うーん。たしかに中ロ朝が力をつけてきているので都構想は結構怖いですねえ。管前総理みたいなのが知事になったらと思うと。。

> 住民が満足する生活を送れるのならば自治体名に拘るのはナンセンスだと思います。

> それにそもそも自治体の枠組みや名称はその時代時代にあったものにずっと変更され続けてきています。廃藩置県以降、県も恐ろしいほどの変遷を遂げていますし、合併を繰り返してきた市町村にいたっては説明する必要もないかと思います。問題は行政の集約や枠組みの変更によって住民サービスや意思決定が以前のものよりもスムーズいくのかどうか、無駄が発生するのかしないのか、その点に尽きると思います。

リベラルなご意見ですね。
自治体名にこだわるのはナンセンスというのならば、なにに拘るのはセンスがあるのでしょう。現在の住民が満足する生活を送られることが、最大の目標になるのでしょうか。その論理をとると、極端な話、そのとき生活している住民が満足するのならば日本の国名が消滅し、中華人民共和国日本自治区でもいいという話になりますが、これでもいいですか。私は嫌です。
まあ、世の中には市の名前が南アルプス市でもいいという人達もいますが、私にはそれこそナンセンスだと思います。これでは伝統も何もあったもんじゃなくて、何故に、どのような権利があって現世代がそのときの気分で歴史ある地名の改変をしてよいのか、ということをよくよく考えるべきであると思います。我々はご先祖様から引き継いだものを後の世代に引き継ぐんですよ。改革改革でそんなに壊しまくっていいんですかね。

基本的には、橋下徹という人は、ぶっ壊し屋なんだと思います。意見もコロコロと変わるし、あまり中身や軸のある方では無い印象を持っています。いまあるシステムをぶっ壊すには最適な人かもしれませんが、なにかをコツコツと創造していく政治ができる思考や議論のスタミナに優れている方ではなさそうですよね。
Posted by 捨吉 at 2012年02月11日 04:05
私は別に中華人民共和国日本自治州でも構わないですね。合衆国日本自治州でもいいです。
伝統やしきたりというのは、世の中が上手く回っている時には大事にされますが、明日の飯には敵いません。そもそもが、文化というのは子供の時に明日の飯を餌にして親や社会から刷り込まれる偏見の一種だと思っています。親や社会が自分に食わせてくれなくなれば、若者の柔軟な頭は、割とあっさり手放しちゃうもんじゃないでしょうか。良かれ悪かれそういうもんです。
現実と戦うには、現実的な視点が必要ですから。

それはそれとして、伝統とか先祖代々とか、そういう切り口では橋下さんおよびそのシンパに対抗出来ないと思います。
「自分の頭で考えない奴」「既得権益者」なーんてレッテルを貼られて、天下万民の敵としてギロチン台に登らされますよ。例えその人が素晴らしい人格者で、努力家で、ユーモアに溢れた魅力的なイケメンでも、対抗は不可能です。
何故なら、天下万民が飢えている時は、「腹一杯食っている」というだけで、敵認定されますから。

「俺が飢えて居るんだから、お前も飢えるべきだろ。飢えていないのなら、それはお前が何か悪い事をしているからにちがいない」

貧富の差が一定を超える時、こういう意見が主流になるのが、いわば人類の伝統です。
中国でもローマでも第三帝国でも、何度も何度も繰り返されたことです。彼らの失敗を、ようやくここ100年ぐらいで腹一杯食える様になった私らが回避できるでしょうか? 自分に問う時期がきた気がします。

私としては、そういった破滅的思想から身を守るためにどうすれば良いのか なんてことも、このブログで取り上げて欲しいですね。
Posted by ちゃそ at 2012年02月11日 12:37
>個人的には、「都構想が実現すれば、大阪市および堺市を消しますよー」と、きちんと名言していただきたいです。私はそれすら知りませんでしたから。

とありました。これに対して橋本が前言ってたのは

「行政単位としての大阪市、堺市は消えるけれど、コミュニティとしてのそれらは変わらない」

とのこと。

僕は区に分割されたその時点で「大阪市民」「堺市民」の市民としてのアイデンティティがなくなるとは思いません。区の名称に今の市名の名残が残るかどうなるかは分かりませんが、そのアイデンティティさえ残っていれば行政単位の消滅(個人的には消滅ではなく分割が妥当かと)はそれ程問題ではないかと思います。

その今までの市民としてのアイデンティティに加え、区長を頂点とした区ごとの団結が新たに発揮される事もあるのではないでしょうか。あくまで憶測ですが。

今までは大阪市民260万人(他の大阪府の市に対して明らかに多い)に対して市長一人に権限が集中し、地域ごとに差異の大きい大阪市全てに細やかな行政サービスをすることができなかった。
そこで、特に市民に身近な行政サービスに関してより地域に近い区長に委譲、それぞれに地域に合わせたサービスをおこなってもらう。
前回大阪市と堺市の市長の権限を知事に移すとありましたが、区長にも市内の地域行政にかなりの権限が渡るので独裁的というのは少し違うように思います。

要は、大阪府内での地方分権。逆に都知事等は強化される面もあり、弱体化する面もあるのではないでしょうか、個人的には独裁、トップダウン的な政策というかむしろ区長、他市長に力を預けたボトムアップ的なものと今まで捉えていたのですが、どうなのでしょうか?
Posted by ももんた at 2012年02月11日 19:12
お疲れ様です。

>個人的には、「都構想が実現すれば、大阪市および堺市を消しますよー」と、きちんと名言していただきたいです。
>私はそれすら知りませんでしたから。
はっきり言わせて頂くと、正直、何を今更と思ってしまいました。
僕も含め大阪市民はそんな事は大前提の上で投票したと思います。

ニコ動で恐縮ですが、橋下vs平松の討論動画です。
Part1:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16166046
Part2:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16166323
Part3:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16166390
つるやさんはこの動画はご覧になられたでしょうか?

以前のやる夫スレで橋下vs平松の討論について言及されていたので
既に視聴済みだと思っていたのですが、前回の2重行政に対する誤解といい
大阪市が無くなる事を知らなかった事といい、この動画の内容を知らなかった
のではないかと思えてなりません。
つるやさんの問題提起の幾つかについては既にこの動画のPart3辺りで
見解が出されています。
都構想における行政区分についても、図解入りで分かり易く説明がなされています。
これを見て大阪市が無くならないと誤解する人は居ないのではないでしょうか?

確かに橋下氏は直接的に「大阪市を消滅させる」という表現は行っていません。
言葉を選んでいる印象はあります。

その理由ですが、僕が思うに平松氏側の選挙戦略にあるんじゃないでしょうか。
平松氏の橋下氏批判ですが、彼はある言葉のトリックを用いています(Part3の動画でも主張しています)。
1:橋下氏は大阪市を解体しようとしている
2:私は大阪市を守ります
3:私は大阪市民を守ります
彼の主張はこの様に推移しています。この2→3にトリック(というか論理の飛躍)があるわけです。
ここで言う「大阪市を守る」というのは「大阪市という行政区分」を守る事でしかありません。
「大阪市という行政区分」=「大阪市民」ではありません。
大阪市解体はあくまで行政の方法論の違いでしか無いはずです。即混同できるはずが無いんです。

だから橋下氏は
「大阪市役所は解体するが、コミュニティーとしての大阪を壊すわけではない」
という形の反論を行っているわけだと思います。もし彼がもっと直接的な言葉を使っていたら、
平松氏側はこぞって言葉尻を取り上記のような「すり替え」を行っていたでしょう。
この辺の言葉の選び方は流石に元弁護士といったところです。
そしてどちらが本質を誤魔化そうとしているかは明らかだと思います。



>先回の記事のコメント欄で、「民主的な手続きで独裁者は生まれない」というご指摘がありましたが、
>アドルフ・ヒトラーは選挙で選ばれました。
>ナポレオンも民衆の圧倒的な支持の下に選ばれました(そして戦争をし続けて負けて国家を壊滅させました)。
さて、アドルフ・ヒトラーと橋下氏の比較は2chでも良く話題に上がりますが、
全く別のものを同列に並べる意味はあるのでしょうか?
ナチスドイツによる独裁は反対派の粛清などによって行われました。
民主主義国家における独裁は民意を捻じ曲げる事によって始まるのだと思います。
民意を背に受けた橋下氏と、選挙工作などを行い民意を捻じ曲げようとした平松氏、
どちらが独裁に近いでしょうか?

他にも議論したい項目はありますが、
文章が長くなってしまったのでとりあえずここで区切らせてもらいます。

最後に、2重行政の一覧についてはとても参考になりました。
よく調べておられるなと感心しました。
Posted by at 2012年02月11日 21:36
失礼しました。
名前欄を入れ忘れていました。
Posted by k at 2012年02月11日 21:37
今日は建国記念の日で紀元節です。「かのように」考えると2672年前の今日日本は始まったということになります。

ちゃそさんのおっしゃるように、「親や社会が自分に食わせてくれなくなれば..あっさり手放しちゃう」は私も正しいと思います。人というのは衣食足りて礼節を知るものですし、選択肢がそれしかないという状態は迷わないのですむので多くの人にとって心地よいものですらある気がします。しかし、これはいわば極論を先に考えて、現在の対策を考えることを放棄している立場に思えます。現在の我々が置かれている状態はそこまで悪い状態ではありませんが、考えるのを放棄してしまってはお先真っ暗になってしまいます。
いま、我々にはいろんな選択肢があり、その選択肢に迷い悩んでいる訳です。このような時に考えるための軸として、私は特に統一宗教がない日本にとっては伝統文化が重要な役割を果たしてきたし、これからも果たすことができると考えています。

まず、我々には未来の我々(子孫)の住む社会情勢環境は正確には予測できないこと、そして未来の出来事は往々にして我々の想像の範囲を超えるということ、は多くの人が同意できるものかと思います。では、我々はどのような戦略を持って、未来のための「天下万民が飢えない」システムを構築するべきでしょうか。ここでは、どのように戦略の良し悪しを判断したらよいかということが大変に重要なことになります。過去の歴史も参考にして、先にできないとした未来予測も試みるでしょう、この予測が特に難しいのは、自国そして近隣国それぞれの情勢が変わるからだと思います。そこで判断するひとつの軸として、その戦略は伝統文化に則った際にそれは正道なのか邪道なのかということを考えることが有効な指針を与えるのではないかと私は思います。これは、多くの伝統的文化を「偏見の一種」と捉えるか、「祖先が体験した過去の経験知の集大成」として捉えるかという立場によって同意できるかできないかは別れるかと思います。

また、このような考え方は、宗教・哲学的な立場であり、各人の根本的な考え方の礎に位置します、未来は予測できる(これもひとつの宗教・哲学的な立場)と言う人に対しては、前提が噛み合わないので論理で説得することは不可能です。

日本の伝統文化の代表例は天皇制だと思います。2672年も続いているんですよ。それも男系で。単純にキリスト教より660年も長い歴史を持つってスゲーって思いませんか?客観的に見ても、それを変えちゃうの勿体無いなあとか思いませんか?

外国で暮らすと自分が日本人であることを否が応でも強く意識します。多くの人(その国の自国人、移民、中国人とか)が自分の国のことを非常に意識しているからそれが伝染するようなものかもしれません。アメリカや中国ではなく、ヨーロッパとかの伝統のある国に行くと、そのような国では移民文化の流入に対抗するがごとく伝統文化を非常に大切にしています。イギリスなんかは、古ければ古いものほどありがたがるという国民性があります。彼らは本能的に伝統文化が次の社会を担う世代の育成・社会全体の生存戦略に有用であると熟知しているからに思えてなりません。

> それはそれとして、伝統とか先祖代々とか、そういう切り口では橋下さんおよびそのシンパに対抗出来ないと思います。

それはそうなので、当然対案は出さなければならないでしょう。現状の制度を十分に改良することで対応できるならばわざわざ変える必要はないですよね。伝統とか先祖代々とかは、いわば教養であり、実務面では役に立ちません。心の裡にあって、大局的な判断ににじみ出てくるものだと思います。

しかしまあ、当然悪しき伝統もあるわけで、そこも難しい問題ですが、それを理由に文化大革命は勘弁してほしいです。やけになって短絡的にならず、考えつづけ悩み続ける体力が求められている気がします。衣食足りて礼節を知る、武士は食わねど高楊枝、両方とも良い示唆を与える言葉と思えます。
Posted by 捨吉 at 2012年02月11日 21:40
さて、アドルフ・ヒトラーと橋下氏の比較は2chでも良く話題に上がりますが、
さまざまなご意見、どうもありがとうございます。私なりの回答につきましては次の記事で色々と述べさせていただきます。

ただ、一つ分かったのは、私自信がどれほど知がまわっていなかったか、ということ。
知が回っていないまま、それをひけらかす悪癖がある、ということですね。

それと。下記については泥沼の議論になりそうなので、こちらで触れておきます。
おそらく反発されると思いますが、ご返信いただいても、「そういう見方もありますね」という事になりますので、下記の件についてこのコメント欄にてこれ以上の話はいたしません。

>全く別のものを同列に並べる意味はあるのでしょうか?
>ナチスドイツによる独裁は反対派の粛清などによって行われました。
>民主主義国家における独裁は民意を捻じ曲げる事によって始まるのだと思います。
>民意を背に受けた橋下氏と、選挙工作などを行い民意を捻じ曲げようとした平松氏、
どちらが独裁に近いでしょうか?

平松氏と橋下との比較で言えば、まだ私は橋下を選ぶかもしれません・・・が。

平松が悪い=橋下氏は独裁と同じ道を歩んでいないとは全く別の話かと。

アドルフ・ヒトラーは確かに反対派の粛清により権力を掌握した面もありますが、初期段階では1.分かり易い敵を作る(当時、ドイツで金貸しをやっていた人たち)。2.それを攻撃して”民意”を得る。3.支持基盤を確立した後に議席の削減などにより反対者を潰していく。
という手順を踏んでいます。

どうにも、彼の発言の分かり易さを見ていきますと、1.敵を作って叩くという側面が大きく、彼の良いイメージのみが先行しているような状況について、私には危険に思えてならないのです。

ただしこれは、彼は在日外国人参政権に賛成の立場ですので、私のイデオロギー的な偏見が入っているということも明記しておきます。
Posted by つるや at 2012年02月12日 16:48
私は、大阪市民ではありませんが大阪府民です。
まあ、関西の人間で、自営業ですので夕方ぐらいはテレビで情報番組を見たりしています。
そういう人間が、大阪の二重行政といわれると何を想像するかというと水道事業が出てくるわけです。
大阪市というのは大阪府の真ん中にあるわけで、大阪府全体に水道を通す場合、大阪市を通ると実に効率的なわけですが、これができない。
その原因が大阪市と大阪府の縄張り争いという風に府知事時代に橋下氏は説明されていました。
協調したほうが効率がいい事業が二重化しているのが問題なんですよね。
たとえば、病院でも私立病院と府立病院が隣りに建っていた場合、片方をつぶすんじゃなくて、合併をする。こういう考え方もあるわけです。

実際、大阪都構想はまだまだ未完成で、逆に言えば、アイデア募集中なわけです。
大阪市がなくなるというというのも、東京がそうであるからというだけであり、大阪もそれに準じる必要はありません。
区長の上に大阪市長がいても問題があるかを考えればいいだけの話です。
法律云々に関しても、憲法改正すら視野に入れているんですから、法律自体変えればいいわけですし・・・

今までこうであったから、こうなるはずと仮定して批判することは必要だと思います。
しかしこうありたいからこう変えるべきだというニーズをいうべきだと思いますし、橋下氏はそれを推奨しているように思います。

在日外国人参政権に関しても、日本国旗の前で日本国歌斉唱の後、日本の領土や戦後の補償問題等に対し日本の政府の判断に準じるとこを制約した上で、参政権を与えるべきだということをニーズとして出せば、すんなり受け入れられるんじゃないですかね?
できない理由を探すより、やる方法を見つけたほうがいいと思うんですよね。

あと独裁についてなんですけどね・・・
目立つ政治家が一人だから独裁になっちゃうんですよ・・・
今日、TVタックルで教授職にある人間が、橋下氏の危険性を言っていたのですが、”お前がまともな政治家を育てないから、こういう状態になっているんだ”と思うわけですよ。
なんていうのか、橋下氏の問題以上に橋下氏の周りであったり、批判している人たちのほうに問題があるような気がするんですよ・・・
Posted by at 2012年02月21日 03:49
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